カノープス

先日「カノープス」を撮影することが出来ました。
カノープスは「りゅうこつ座」という日本では馴染みのない星座の一等星で、シリウスに次いで全天で二番目に明るい恒星です。
しかし日本の位置からは南緯が低く地平線近くにしか現れないためなかなか見ることが出来ない星です。
しかも出現する時期は冬場(2月中旬から3月初旬)だけです。

古来中国では地平線近くにほんの稀にしか見ることが出来ないこの星を「南極老人星」、 又大気の影響で赤く見えることから縁起の良い「寿星」とも呼ばれていたそうで、見れば寿命が延びると言われています。

一方日本では「布良星(めらぼし)」と呼ばれています。
布良は房総半島南端の漁港で、海が荒れるこの時期に漁に出て遭難死した漁師の魂がこの星になったと言い伝えられています。
同じ「赤い星」でもそこから想像される心象が中国と日本で違うことも興味深いことだと思います。

写真は少しトリミングしてあります。当日は少し寒さも緩んだ暖かい夜でしたので視程が悪く南の都市部の光害の影響もかなり受けてしまいました。

カノープス
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カノープス(解説)
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