会長就任にあたって

OB会会長 16E 日野正紀

平成13年6月、OB会会長に就任いたしました。鈴木登紀男前会長の長期にわたる ご尽力に報いるべく、諸兄のご協力を賜り職務をはたしていきたいと存じております。

 現役諸君が山岳部の活動で得られるものは、人生にとって貴重なものであることは言 うまでもありません。一方山岳部の活動には危険が伴う場合の多いことも事実です。こ うした山岳部活動をサポートし指導することが我がOB会の任務であります。これまで OB会はその時々の必要性に応じてさまざまな活動を行ってまいりました。

 我が山岳部は60有余年前に1期の諸兄により創設され、先の大戦前後の物資不足時 代を経て、戦後のアルピニズム高揚を機に目覚しい発展を見せ海外遠征を行うなど、多 くの現役部員を擁して活動してまいりました。その間OB会は、古くは鈴木先輩(1E) や小茂鳥先輩(4M)を中心に、その後は松室先輩(14C)などの諸兄を中心に各時代の若 手OBが現役部員指導にあたってまいりました。

 しかし近年、世相の変遷と相まって部員の減少に悩まされ、数年前の一時期現役部員 がいなくなり山岳部存続の危機に直面しました。この危機に際しては野寺先輩(11M)が 中心となって大変な苦労の末ようやく消滅をまぬがれました。

 これまでの諸兄の活躍には目覚しいものがあります。しかしOB会が組織として対処 してきたとは言い難く、組織的活動による現役サポートが課題でありました。
 現在OB会は日比谷幹事長(27C)をはじめとする幹事会を軸として組織的な活動がな されています。現役諸君に対しては、現役指導幹事を中心に登山計画へのアドバイスや 山行に同行しての訓練を行い、また用具購入等の資金援助やOB会主催のスキー行に参 加呼掛けなど、さまざまなサポート活動が行われています。また総会や夏山山行、スキ ー行などOB相互の親睦をはかるイベントが古手・中堅幹事を中心に諸兄の協力のもと 毎年実行されています。数年前担当幹事が構築したメーリングシステムやホームページ、 名簿更新システムはこうした活動への有効な道具となっています。

  しかし、いまなお山岳部の状況は気掛かりなものがあり、現役諸君の自主性を尊重し ながらも、サポート活動をしっかり続けていかねばなりません。諸兄の一層の協力が望 まれます。

 こうした60年に及ぶOB会の活動を俯瞰いたしますと、公私に多忙な諸兄がまさに 奉仕の精神を発揮して山岳部を支えてきており、まことに感慨深いものがあります。山 岳部が現役時代の私達に素晴らしい何かを与えてくれたものと痛感いたします。これか らも現役諸君が山岳部活動を通して貴重な何かを獲得し社会に巣立つことに、我がOB 会が聊かなりとも貢献できれば望外の喜びと存じます。

(2003年1月5日)