幌尻と遥かなるペテガリ  23M岩永

去年は林道が使えず登れなかった日高の幌尻とペテガリ、それに芦別を計画していたが
悪天のため、幌尻とペテガリだけになったが十分満足できる山行であった。ペテガリ山
荘への林道は通行止めのため神威山荘から山越えで入山した。

● 期日:2005年7月2日(土)〜9日(土)
● 山名:7月4日 幌尻岳(2052m)
     7月4日 戸蔦別岳(1959m)
     7月8日 ペテガリ岳(1736m)
● メンバー:23M岩永、元の会社の友人2人

● 記録 
7月2日(土)曇り −買物、移動−
名古屋空港から千歳空港へ。レンタカー(bB)を8日間借りる。富川で買出し。振内民
宿であらかじめ送っておいた荷物を整理する。大通りに面した部屋でトラックが通るた
びに揺れる。

7月3日(日) 曇り −幌尻山荘へ入山−
8:00民宿発。豊糠から糠平川沿いに走る。振内から1時間強で仮ゲートに着く。30台く
らいは止められる駐車場に15台くらいとめてある。約35分で奥幌尻橋のゲートに着く。
ここは駐車スペースが狭いので仮ゲートを作った意味がわかる。さらに1時間半で取水
口に着く。ここまでは車が入れる。これから先は右岸の山道となる。約30分歩くと最初
の徒渉点だ。洗心の滝の200mくらい下流。ここから23回徒渉を繰り返す。深いとこ
ろは膝上10cmくらい。小屋手前の最後の徒渉までは右岸につけられた山道をたどる。
14:00山荘着。仮ゲートから4時間45分。小屋番は平取山岳会の会長さん(77歳)だった。
一般客1000円、ツアー客1500円。この日も近ツリのツアー客が18時ころ着いて怒ら
れていた。自家発電も備えている。予約がない客は床下に寝てもらうなどと言っていた
が部屋に泊めてもらったようだ。スペースは毛布半分の幅がある。この日は50〜60人
いたようだ。ストーブで濡れたものを乾かす。テント宿泊は認めていないとのこと。

7月4日(月)晴れ −幌尻岳、戸蔦別岳、下山−
3時起床、4時15分出発。多くの人は幌尻往復のようだ。道はよく踏まれている。命
の水に行くには雪渓を渡るようだ。この上から稜線に出て北カールが見え始める。頂上
まで小屋から3時間35分。仲間の一人はこれで深田百名山完登だとのこと。おめでとう。
花が多いし色が鮮やかだ。ここから見る北カールも大きい。はるか南東の方向に去年行
ったカムイエクウシカウチや秀峰1839峰が見える。戸蔦別に向かう。ピークを一つ越
えて肩に出ると七つ沼のカールが見える。一番上の沼はまだ半分雪に埋まっている。き
れいなところだ。こぶを2つ越えると戸蔦別の急登となる。頂上には誰もいない。ツア
ーの連中がつながって稜線を歩いているのが見える。幌尻山荘への分岐点1881m峰から
下る。7月1日に山荘が開いてまだ4日しか経っていないからこの道を下ったのはまだ
20人もいないだろう。道は落葉で埋まっているし、笹も生い茂っている。おまけにかな
り急な下りだ。六の沢に出て沢シューズに替える。徒渉点を探すのに意外に時間がかか
る。小屋には13:55着。すぐに荷物を整理して大ザックを背負って出発。仮ゲートには
18:20着。行動時間14時間。振内の民宿には19:40着。天気予報が変わっていて明日は
雨らしい。

7月5日(火) 雨 −休養、富良野見物−
ゆっくり起きる。日高町で今日の宿、吹上温泉白銀荘を予約する。富良野の麓郷に行き
「北の国から」のセットを見物。十勝岳の登山口を見て白銀荘へ。道路下の露天風呂吹
上の湯に行く。この宿は素泊まりだけだが、炊事場も整っていて、2段ベッドも広く高
く、快適だ。この宿で、偶然16期の石松さんと会う。石松さんは松本の山仲間と11人
で来て、大雪の付近を歩き、明日は十勝岳へ行けるとこまでいくとのこと。

7月6日(水) 雨 −休養、移動−
今日もゆっくり起きる。山部の芦別岳登山口を見に行く。ここにも簡易宿泊施設がある。
今日の宿、新冠温泉レ・コードの湯へ。今回初めて高級な宿のレストランで食事を摂る。

7月日(木)小雨、曇り、雨、曇り −移動、ペテガリ山荘へ入山−
今日もゆっくり起きる。午前は雨で、午後は曇りとのこと。去年行った神威山荘へ。車
を置き、沢シューズで出発。山荘から少し戻り9.5kmの標識から廃林道を沢の方へ下る。
ニシュオマナイ川を渡り、林道を歩く。山道となっても要所には赤布がある。鹿の白骨
が転がっている。滝は左側を登り、すごい急な笹薮を登れば峠だ。今度は急な斜面を下
り、古い林道らしい道をたどるとベッピリガイ沢川にでる。これを渡るときれいなペテ
ガリ林道に出る。右から合流する大きなペテガリ沢川にかかる橋を渡れば山荘はすぐだ。
二階建てのきれいな山荘だ。先客二人あり。外には広場があり炊事場もある。小屋の炊
事場には水が出ている。トイレも2つある。なんとトイレに電灯が点く。太陽光発電だ。
ストーブを焚き衣類を乾かす。夜、広場に鹿が来ていた。

7月8日(金) 曇り、小雨  −ペテガリ岳−
5:20発。5万分の1の地図で今日の累積標高差を求めたらなんと2010mもあった。最初
は沢沿いに登る。小屋の水は沢の横の湧き水を取っている。合計9回折り返すと尾根に
出てしばらく登ると、1050m地点だ。ここからは何度も登ったり下ったりを繰り返す。
1293mのピークははっきりしている。1301mのピークまでは笹が刈ってある。ありがた
い。ここから一度下って登り返す。這松が出てきたので頂上は近いかと思っていたら、
また、岳樺になる。なかなか遠い。やっとガスの中に2本の柱が見えて頂上だ。残念な
がら何も見えない。この山は麓から頂上までゴゼンタチバナが咲いていた。下りは1301
mと1293m峰の登り返しがきつい。小屋に着くと夫婦連れが二組来ていた。一組はテン
ト泊で、なんと犬を連れてきていた。行動時間11時間40分。

7月9日(土) 曇り、晴れ、曇り  −下山、帰宅−
4:20発。峠を越えて神威山荘へ。鹿の骨の頭蓋骨がなくなっていた。神威山荘着8:10。
小屋で着替えをしてレ・コードの湯へ行く。ここで荷造りをして自宅に送る。温泉に入
りきれいになって千歳に行き、車を返して、飛行機で名古屋へ。20時前に帰宅。


05.7.4いわゆる幌尻の肩から七ツ沼カール

05.7.4幌尻からカムエクと1839峰手前はカメワッカ岳

05.7.8快適なペテガリ山荘