2005年 春の連休 南会津山行

                                       23M 岩永省吾


三倉山(右)、大倉山(左)、流石山(手前)。三本槍から

男鹿岳。隠居倉から

10年以上も前の5月、那須の三斗小屋温泉の煙草屋の露天風呂から見た残雪の
大倉山が忘れられなくて行ってみることにした。男鹿山、那須の朝日岳にも行
くことにし、三斗小屋へは北の大峠から入ることにした。結果的には残雪が多
く、大峠から三斗小屋までが結構厳しく大倉山は割愛せざるを得なかった。

● メンバー:岩永(64歳)、会社の山仲間(64歳、56歳、51歳)の4人
● 期間:2005年4月29日(土)〜5月4日(木)
● 山:男鹿山(1777m)、博士山(1482m)、隠居倉(1819m)、
朝日岳(1896m)、前岳(1717m)、三本槍岳(1917m)、
小野岳(1383m)

○ 4月29日(土)晴れ    −移動日−
今回は三斗小屋に2泊する予定なので、少し大きめのザックにする。5時半名古
屋を出発。恵那山トンネルの手前の信号が赤に変わった。仕方なく待っている
とトンネルの中で事故があったとのこと。たいしたことはなかったが2時間後
にやっと開通した。このため今日登る予定の山は割愛。中央、長野、上信越、
北陸、磐越道を通って会津西ICまで走る。東北道を使うよりこちらの方が近
い。R400で田島の南にある滝の原温泉へ16時半着。三滝荘はこの前来たとき
から、桜と滝と満月と暖かい料理でお気に入りの宿だ。今回、桜は下の田島は
満開だったがここはまだ2分咲き、満月でもなかった。でも、暖かいもてなし
を受けた。

○ 4月30日(日)晴れ、  −男鹿山−
男鹿山は南から登ることも考えられるが北からの方が登りやすいようだ。田島
から水無川に沿って南に入る。栗生沢の奥の新しい林道を右に分けて橋を渡っ
たところが登山口。標高790m。先客5,6台。テントも張ってある。すぐに雪が
出てくる。ほとんど雪の上の長い林道歩き。2時間半で峠(1280m)に着く。峠か
ら若干藪を漕いだがすぐに雪となる。2時間で男鹿山の頂上着。標識も雪の下に
ある。那須の山や三倉山方面は良く見える。帰りの林道歩きはうんざりした。
今日の登山者は我々を含めて16人もいた。今日の行動時間は8時間30分。三
滝荘へ帰る。

○ 5月1日(月)晴れ、  −博士山−
田島から大成沢へ行き、博士林道を登る。標高670mの地点で先行の車が雪に突
っ込んでもたついている。我々はこの下に車を置き出発。博士山は20年くらい
前、ブナとイヌワシで有名になった山だ。少し林道を登ると大きな鉢巻状の林
道に出る。この林道を南に行くと100台も止まれる駐車場がある。ここが道海
泣き尾根登山口だ。しかし、岩永は体の調子がよくないのでここでリタイヤー。
林道をぶらつく。若葉の出る前の山にボーと白い桜が点在しているのは幻想的
だ。今年の3月竣工と書かれた立派な博士山トンネルがある。税金が余ってい
るようだ。車を止めた近くには畑がありそこの水溜りでアメンボーを何十年ぶ
りかに見た。静かな風景だ。
6時間弱で3人が下ってきた。一番若い一人は稜線で待っていたとのこと。上り
も急で雪がいやな付き方をしていたらしい。下りは別のルートを取ったが手入
れが悪くルートを探すのに手間取ったらしい。今日の宿は湯野上温泉だ。

○ 5月2日(火)早朝まで雨、午後晴れ   −三斗小屋温泉へ−
今朝は朝風呂に入りゆっくりする。対岸には真っ二つに割れた夫婦岩がそそり
立っている。奇岩が立つ「塔の?(へつり)」を見物する。東京近郊だったら長瀞
以上の観光地になるだろう。観音沼を過ぎ観音山のアメダスのすぐ下で雪が出
てきて車を置く。標高1170m。林道が終わると道が分かりにくくなる。雪が少
ないところでは広い道がはっきりしているが多くなるとすぐには夏道をはずし
てしまう。赤布も少ない。大峠の近くでは道は全く分からなくなったが峠を目
指して雪を拾って登る。大峠は風が強くて寒い。ここから先は雪がべったりつ
いていて全く読めない。三本槍経由で行くとの意見もあったが予定通り直接三
斗小屋温泉に向かうことにする。覚悟は十分出来ていたので地図と高度計を頼
りに進む。特に下り過ぎないように。よく見ると十分ではないが赤布も少しは
ある。無事1本目の沢を渡る。渡渉の場所も明白ではないし上り返しのルート
も明白ではない。三本目の赤岩沢を渡って一安心。すぐにウイーゼルの跡に出
会う。小屋の荷物は下の三斗小屋宿から運んでいるようだ。5時間弱かかってし
まった。これではここから大峠経由で三倉山往復はとても出来ない。ここ大黒
屋は一泊で切り上げて明日は朝日岳、三本槍経由で下りることにする。したが
って、衛星電話で、明日の宿は三滝荘に頼んだ。煙草屋の露天風呂に行こうと
したら宿の人が立ち寄り湯はやっていないとのこと。今年大峠から来た人はあ
なた方が初めてですよとのことだった。電気が来てないこともあり9時消灯。

5月3日 (水) 晴れ    −隠居倉、朝日岳、前岳、三本槍岳−
雪がべったり付いているので隠居倉への上り口が分からない。少しうろうろし
て温泉神社への道だと分かる。その上に雪の全くない泉源がある。隠居倉から
は男鹿山をはじめまわりの山が良く見える。朝日岳からは茶臼が大きい。清水
平から東に下って前岳に行く。雪の急斜面のトラバースだ。二人は行かないと
のこと。二人でここを往復したが結構急な斜面だった。この付近から見える北
の旭岳は立派だ。三本槍を経て大峠へ下り、車に戻る。今日も8時間半の行動
だった。舞い戻って来ましたと三滝荘に泊まる。

5月4日(木) 晴れ   −小野岳−
数日の間に三滝荘の桜は七分咲きになっていた。田島から会津若松へ向かう途
中の湯野上から西に入った大内宿にある小野岳に行く。この山は花が多い。ア
ズマイチゲ、キクザキイチゲ、イチリンソウ、ヤマエンゴサク、ミヤマキケマ
ン、エンレイソウ、ショウジョウバカマ、カタクリなどが咲いていた。頂上は
広い雪原だ。かなたに二岐山が霞んでいた。3時間行動。帰り、大内宿に向かう
車に驚く。なんと国道までつながりさらに会津若松の方面へ10キロ以上もつな
がっていた。芦の牧温泉で汗を流し、若松で腹ごしらえをして往路と同じ道順
で名古屋へと帰る。ただし、長野の北で渋滞につかまってしまう。おかげで高
速を下りるのは12時過ぎになってしまう。ただし、ETCをつけた車だったの
で高速料は三割引となった。