山岳部創立90周年登山、チベット カルション峰(Mt.Kaluxung)6674M 
第2次偵察隊に参加して。


                               17M馬目

今年5月の偵察隊により、目標となる山が表題に決定されました、
第二次偵察隊の目的は
1.尾根、氷河の2ルートについて詳細調査を行い、採用するルートの決定。
2.5000m以上のテント泊。
3.BC予定地の決定、(出来ればC1予定地も)
4.チベット人ハイポーター(ガイド)2名の試用による本体の編成に資する。

メンバー:八鍬貞悦(34年)L、西沢輿志英(33年)、馬目廣道(34年工学部)、
     山川陽一(36年)、渡辺 昌(38年医学部)、河西瑛一郎(39年)、新谷忠雄(43年)
     計7名 年齢68歳〜60歳、平均65歳。

日程: 
9月16日 9:30成田発  15:25 成都着(北京経由)
  17日 12:40成都発 14:30 ラサ(標高3650m)
  18日  LHASA〜Yanbajing(4270m)〜Suge峠(5300m)〜Dongg峠4840m)〜Shigatse(3900m)
  19日  Shigatse〜Gyangze〜Karo峠(5010m) 此処で峠の両側にNozinKangsa(7223m)とKaluxung(6674m)が目の前にある。
       〜Nagarze(4500m)     
  20日  Nagarze 高度順応、合流したガイド ドジ氏、ジンバ氏と尾根ルート観察、氷河ルートを観察、第1氷河湖まで登る。
       ガイドのドジ氏は中国登山隊(CMT)の主要メンバーで(8000m超峰。13座登頂)登頂ルートについて
       意見を聞いた。
       1)尾根ルートは稜線到着後、頂上迄の6000m以上稜線が長く、クレバスも多いことが予想される。
       2)氷河ルートは、5500mの第1キャンプ予定地近く迄セラック帯の脇のモレーンを辿り、容易に登る事が出来る。
         以降6200mの稜線まで緩やかな雪原である、稜線上はクレバスが予想されるのでその備え必要。
       以上の理由で高年者向きの氷河ルートに絞って偵察活動をする事に決定する。
  21日  第2氷河湖上にBCを設置する。テント5張り、食堂テント、ヤク9頭で約200Kg、BC迄運び上げる。
       目の前にカルション2峰とカルヒョン氷河のセラックが氷河湖に迫り最高のBC設置場所です。
  
  22日  C1を5500mに設置、ドジを含め3名泊まる。
  
  23日  C2予定地5800m迄偵察、C3予定地(アタックキャンプ)6200m稜線上設置可能、
  頂上迄のスロープに約700mのフィックスロープが必要。(ドジ氏)
  
  24日  C1撤収。
  25日  BC撤収、ヤクで運搬。Shigatse ホテル迄移動。
  26日  Shigatse〜Lhasa移動。
  27日  Lhasa、 チベット登山協会より登山許可書(2005年秋、10人)取得、その他打合せ。
  28日  Lhasa〜成都
  29日  成都〜成田 22:30着

以上のように偵察の目的を達成して終了。
本隊は来年の9月に入山予定。

今回高度順応の為、入山前渡辺ドクターの指針で航空自衛隊減圧チャンバーを使用し
ての順応、又経過観察の為、成都より朝夕、酸素飽和度、脈拍数、呼吸数、血圧の
データを全員測定記録した。
5000m以上では平地で酸素飽和度90%の人が50%以下に下がる場合もあり、
ガイドのペースに合わせた人は疲労で、BCで休養しても回復しにくいようだ。
やはり腹式呼吸1回(吐いて)で1歩のペースが最適と感じた。全員富士山
最低2回、のトレーニングはしております。

天候に恵まれ高度順化が順調ならば、初登頂は出来ると確信しました。



BCにて

登頂ルートを望む

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C1への道

Karo峠